HOMEEssay恋愛

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初めて自分の事を話して付き合うことになったのは、20歳の時だった。
相手は同い年の子。
何年か付き合ううちに、彼女との間に溝ができ始めた。
今の自分の体はイヤなんだという僕と、そのままでいいじゃないという彼女。
お互いの気持ちは平行線のまま。
月日がたつにつれ、その話をすることはおろか二人で話すことも減り、
できた溝は修復できないものになっていった。

インターネットを通じて自分と同じように悩んでいる人達がいることを知り、
自分がこれからしたいことが見つかった時、僕は年上の人と付き合うことになった。
彼女は僕が進んでいこうとする道に心配はしているものの、反対することはなかった。
彼女なりにネットや書籍等で色々と調べていたりもした。
僕はその居心地の良さに甘えていたんだと思う。
彼女が仕事で疲れていることに気づかず、自分のことで精一杯になっていた。
自然と会うこともなくなっていき、僕は彼女の悩みに気づかないまま一人にもどった。

今の彼女と出会ったのは3年前。
僕の一目惚れだった。
しかし当時僕は先述の年上の彼女がいる身だったので、自分の気持ちにブレーキをかけていた。
年上の彼女と別れた後に急接近したのかというとそうではなく、親しくなったのは2年前くらいからで、
付き合うことになるのはそれから数ヶ月たってからだった。
最初は友達を交えて食事をし、二人で食事に行くようになってからは彼女の部屋に寄って、
他愛も無い話をして帰宅するという状態だった。
2002年末に僕が胸の手術を受けることになった時、彼女は「(手術から)帰ってきたら
ここにいればいいじゃない」と何事も無いように言ったのを覚えている。
その頃僕は派遣の仕事も一段落つき、ゆっくりと療養することができた。
彼女が家にいる間はずっと一緒にいて、昔と同じように他愛も無い話をした。
勿論ささいな事で喧嘩したりもした。
それでも彼女が我慢強いのか僕が我慢強いのか、今も一緒に生活している。
お互いの生活時間帯が違うので以前ほど同じように二人で過ごす時間はもてないが、
僕が休みの前の日はできるだけ話す時間を作るようにしている。

僕はまだまだするべき事が山積みな状態だ。
でも数年前のあれもこれもと気ばかりが焦っている状態ではなく、
不思議とそのこなせるべき時を待てる状態になっている。
年齢のせいもあるだろうけれども、彼女の存在も大きいと思う。
口喧嘩もするけれど、僕は気持ちのどこかで彼女がいることに安心しているのかもしれない。
この安らぎがいつまでも続けばいい、そう思っている。

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